一生懸命に予定をやりくりして入れた約束なのに、当日すっぽかされた。
こんな出来事が起こったら、どんな気持ちになりますか?
私なら、はらわたが煮えくり返るくらいムカつきます。
あなたにはどんな感情が湧いてくるでしょうか?
腹が立ったり、悲しくなったりと、感情が激しく湧いてくると思います。
当然です。
感情はしっかり感じきることが大切です。
怒りや悲しみなどの感情は、一般的によくないものだと言われることが多いのですが、感情に良い悪い”はありません。
楽しい、嬉しいといったポジティブな感情と同じく、自然と湧いてくるものです。
そして、激しい怒りも悲しみも、自分が幸せに生きるために活用できるのです。
さらに言えば、ネガティブな感情が湧いたときは、自分自身がバージョンアップするとき。
すっぽかされたり、理不尽な目にあったとしても、それらの出来事は、あなたが何かの気づきを得るために起きているのかもしれません。
腹が立つ、悲しい、怖いといった感情が激しく湧いたときは、成長へのチャンスなのです。
今回の記事は、怒りや悲しみの激しい感情の扱い方について書いていきます。
激しい感情が出たときの反応3パターン
生きていれば出くわす、ネガティブな激しい感情が湧いてくる出来事。
そんな、激しい感情が湧いたときの反応の仕方のタイプには、大きく分けて3つのパターンがあります。
① 自分置き去り型
② 感情感じきり型
③ プロ自分型
どのタイプが良い悪いというわけではありません。
ですが、なんとなく「このタイプは生きにくそうだな」とか、「このタイプは力強く自分を生きてそうだな」など感じますよね。
① 自分置き去り型
このタイプの人は、ネガティブ感情(怖い、怒り、悲しいなど)が湧いたとき、以下のような反応を示す傾向があります。
・その感情を感じていると苦しいので、感情にフタをして感じないようにする。
・その感情が湧いてきた自分をダメな人間だと責める。
・こんな目に合う私がダメな人間なんだと自分を嘆く。
そして、感情の矛先の相手に対しても、キラわれないように笑顔をつくってみたり・・・。
私がダメだからこんなことが起こるんだ・・・ちゃんとした人にならなきゃ。。。
のような思考が働いて、ダメな自分を克服するためにがんばる人が多い。
このような感情の扱い方をしていると、日常的に不安やあせりを感じやすくなります。
人とかかわるのが苦手で緊張しやすい、という人もこのタイプに多いです。
もし、あなたが対人面での悩みが多かったり、緊張しやすい自分に困っていたら、感情の扱い方がこのタイプなのかもしれません。
このタイプは、他人に向いている意識を自分に向けられるようになると気分がグッと楽になっていきますよ。
② 感情感じきり型
このタイプは、自分の中から湧いた感情に良い悪いの判断をしません。
どんなマイナス感情であっても、その感情が湧いた自分を責めたりダメ出ししたりしない。
自然に湧いた感情がネガティブなものであっても、受け入れています。
たとえばささいなことに腹が立ったとき、『自分置き去り型』の場合
「こんな小さなことにいちいちムカつくのは私の器が小さいから・・・。私ってダメだな。もっと心の広い人間にならなきゃ。。。」
こんなふうに思うかもしれません。
一方『 感情感じきり型』は、
「これ、すっごくムカつく!以上。」
こんな感じです。
腹が立った自分に丸ごとOK出しているのです。
感情は目には見えないけれど、確実にあるもの。
抑圧したら一瞬消えたように思えるけど、自分の中で蓄積されていくのです。
そして、成仏できない浮遊霊のように、自分の中で漂いつづけ、反応するような出来事が起こると、激しい感情となって現れます。
この感情を毎回成仏させてあげましょう。
そのために、自然発生した感情をそのままわかってあげて。
どんな感情が湧いてもいいのですよ。
お客さんにプレゼンするとき、頭が真っ白になるほど緊張しても、その自分をダメだと思わなくていい。
そのシチュエーション、緊張して当然ですから。
威圧的な上司が怖くてうまくかかわれないと感じても、その自分を責めなくていい。
この上司、怖いから苦手と思っていいのです。
③ プロ自分型
このタイプの人は、自分に起こった出来事に「良い・悪い」の判断をしていません。
良いも悪いも自分の受け取り方次第だと思っています。
人に対しても、「いい人・悪い人」の判断をしていない。
その人を好きと感じる自分、嫌いと感じる自分がいるだけ、という感じです。
そしてこのタイプは、前回お伝えした「感情感じきり型」でもあるので、どんなマイナス感情を感じても、その感情が湧いた自分を責めたりダメ出ししたりしません。
ネガティブな激しい感情が湧いてくる出来事が起こっても、そこに自分の存在は絡めない。
「私がダメだからこんなことが起こるんだ。。」とか、「私の器が小さいからこんな結果になってしまったんだ。。」などと、一切思いません。
生きていればうまくいかないこともありますよね。
そんなときこのタイプは、<”うまくいかなかったこと”が私にとって何のために必要だったのかな> と考えます。
ネガティブな感情が激しく湧いてきたときもそう。
たとえば、ものすごく腹が立つ出来事が起こったら、
「こんなに激しい感情が湧いてくるのは、この出来事は私にとって必要なことに違いない。
この出来事に対してこんなに腹が立っているのは私にとって、何のために必要なのかな?」
こんなふうに考えます。
この質問を自分に投げると脳が答えを導き出すように働いてくれます。
あとは、答えが降りてくるのを待つだけ。
自分が腑に落ちる答えや、行動のヒントになることが降りてきます。
だから、何が起こっても、それらすべてを自分の人生に活かせるのです。
芸人さんが自分の失敗をネタにして笑いをとるような感じ。
自分に起こった出来事はすべて、幸せに生きるためのネタにしていいいのです。
感情の扱い方と生き方は密接な関係がある
激しいネガティブ感情が湧いたときの反応として
① 自分置き去り型
② 感情感じきり型
③ プロ自分型
の3タイプがありますよ、とお伝えしてきました。
実は、今回のこのテーマは、過去の私に教えてあげたかったことでもあるんです。
私、今でこそ心を扱う専門家として活動していますが、会社員時代は自分の心にフタして、ガッチガチの鎧をまといながら生きてました。
もっと前からやってましたね。
子供のころからでした。
自分の気持ちや感情はつねに置いてきぼり。
まさに「自分置き去り型」の典型のような私でした。
「自分の気持ちよりも、周りの空気を読んでその場にその場にふさわしい言動をとれる人にならなくてはいけない。」
子供のころからこんな、信念ともいえる力強い軸が私の中には立っていました。
幼少期の親の影響であったり、テレビやマスコミの情報をそのまま自分にすり込んでいったんですね。
そして、HSP気質を持っているので、空気を読むとか人の顔色を拾うことが子供のころから得意でした。
空気は読めるし、相手が言ってほしいことを言えるので、私に対してみんな安心してくれるんです。
そんなキャラを確立できて、私の人生戦略はある時期まで成功してたのですよ。
でも、「自分置き去り型」を長年やっていると、本当に自分のことがわからなくなるんですよね。
社会に出て、意見や考えを求められる立場になったときです。
私の中からは何も出てきませんでした。
意見や考えどころか、頭の中が真っ白になって、「今何を言うのが正解?私はどんな態度をとればいいの?」こんな思いだけがぐるぐると廻るばかり。
あせりました。
それからというもの、つねに本やテレビで他人の考えや言葉を集めてあたかも自分の考えのように発言するってことを覚えたのですが・・・
本音では、自分の中身はスッカスカだとわかっているから、偽物の自分で評価されたりするたびに本当の自分への自信がなくなっていく。。。
そして、何もない自分が社会でなんとか生きてくために鎧を強化していったのです。
「自分置き去り型」への道をさらに進んでいきました。
自分を偽って人と接するこの生き方、ものすごく疲れます。
休日はどこにも行かずずっと寝てましたよ。
当時の私に、現在の私のような人が近くにいてくれたらよかったのに、と思います。
「あなたが今やるのは、鎧の強化じゃなくて、まず感情を感じることだよ。」と教えてあげたい。
そして、「幸せを感じたいなら、本当の自分で生きたらいいよ。」とも伝えてあげたかった。
「自分の中から湧いた気持ちや感情が、どんなにネガティブでもそれでいいんだよ。
それが今の自然な自分なんだから。」
こんなことを言ってもらえたら過去の私はホッとしたと思います。
当時目指していた自分の考えや意見を持ったイキイキと働く女性像。
憧れていたその人たちは、気持ちや感情もふくめ、自分をそのまま受け入れているから、考えや意見を持っていた。
そこに到達するために、まず「自分置き去り型」を卒業しよう。
そして「感情感じきり型」でどんな自分も味わっていこう。
そしたら「プロ自分型」で、生き方を自分で選び自由に人生を創っていけるよ。
そのために、私が協力するからと言ってあげたい。
現在の私は、感情の扱い方と自由な生き方は、密接な関係があることをよくわかっているから。
こんな想いを持ちながら、書いたテーマでした。
自分のことながら、あらためて人は変化できるんだな、と感じています。
現状に関係なく人は変化できる
もしあなたが今、過去の私のように自分に疲れていたとしてもその生き方は変えられます。
自分から湧いてきた感情がどんなにネガティブであっても、それ自体に”良い悪い”はありません。
そのまま受け入れていいのです。
現状がどうであれ、今何歳であれ人は変化していけるのです。
応援しています。