『イライラしている人や、怒っている人が近くにいるだけで、怖くてビクビクしてしまします。
そんな人と、どのような態度で接すればいいのかわかりません。
上司が、感情の起伏が激しくて怒りっぽいので、会社では常に緊張してとても疲れます。
人の感情に、いちいち振り回されない自分になりたいのですが、どうすればいいでしょうか。』
先日、このようなご相談を受けました。
イライラしたり怒っている人が発する、重苦しいエネルギーに触れているのは、しんどいものです。
とくに敏感なHSP気質の人の場合、人の発するエネルギーが強い刺激となり、意識がその人から離れられなくなります。
それにより、不安や緊張ばかりが湧いて、自分の仕事に集中できないこともよくありますよね。
この記事は、そのような人に向けて『イライラしている人に振り回されずに仕事をする』をテーマに書いていきます。
■ 相手と自分の間に心の境界線をひく
相手が発するイライラや、怒りに飲み込まれやすい人は、相手と自分の間に新在する、心理的境界線が薄くなっています。
そのため、相手の感情エネルギーをダイレクトに受け取ってしまうのです。
ですが、相手と自分の間に、心理的境界線を引くことができれば、相手の感情が与える自分への影響を減らせるんです。
それができれば、イライラしている相手と自分は”別の人間”という意識が心の土台に根づき、相手の感情エネルギーに巻き込まれなくなります。
こんなふうに意識してみてください。
「今、相手はイライラしている」
「今、私はイライラしている相手を見て怖くなっている」
こんなふうに相手の心の状態と、自分の心の状態をわけてみてください。
「イライラしているのは相手の問題であり、私の問題ではない」と思っていいのです。
■ 自分に自然発生している感情を受け入れる
続いて、自分の心にだけ意識を向けましょう。
意識するのは、イライラしている相手ではありません。
その相手を目の前にしている自分に、意識を向けるのです。
そして、自分の中で自然に湧いてくる感情を、そのまま受け入れていく。
イライラしている相手を見てどんな感情が湧いてきていますか?
その相手に対してどんな気持ちを感じていますか?
たとえば、
「目の前で怒っている人が怖い」
「社内の雰囲気が悪くなるからやめてほしい」
「すぐイライラするこの上司に腹が立つ」
など、様々な感情や気持ちがあると思います。
これら全部を、受け入れていいのです。
イライラする上司を見て、仕事に集中できなくなっている自分を責めたり、怖さを感じている自分を、「私はなんてダメなんだろう・・・」とダメ出ししなくていいのです。
自分から湧いてきた感情や気持ちは、今のあなたにとって自然なものです。
それを否定したり、フタをして感じないようにすると、感情は受け入れてもらえるまであなたの中で主張し始めます。
その主張は、不安やイライラとして表現され、成仏できない浮遊霊のように自分の中をさまようのです。
これが、日常的に感じる漠然とした不安や、ささいなことで発生するイライラの正体。
自然発生した感情や気持ちを、受け入れることができると、スッキリと成仏していきます。
怖さを感じている自分を、変えようとしなくていい。
イライラしている上司に、腹が立ってもいい。
なぜなら、それが今の自分から自然に湧いてきたものだから。
良い悪いのジャッジはしなくていいのです。
■ 私はどうしたいの?
自分の中から自然発生した感情や気持ちを受け入れたら、次はその奥にある本音を拾います。
たとえば、イライラしている上司が怖くて、仕事に集中できないときは、
「上司がイライラしていて怖いけど、今私はどうしたいの?」と自分に質問してください。
あなたの中から、どんな声が出てくるでしょうか?
・このイライラした空気の中にいるのは、気分がいいものじゃないけど、仕事を早く仕上げたいから、今は目の前のことに集中したい
・いったん席を離れて気分を変えよう。
・上司の声が聞こえないように耳栓しよう。
など、自分の本音が出てきますよね。
そして、その本音を行動に移していきましょう。
それが自分にとって大切なことなのです。
人は変えることができません。
上司はイライラしたいからイライラしているのです。
本人が変わろうとしない限り、そこを変えることはできません。
イライラしたいのだから、そうさせてあげればいいのです。
上司はイライラすることで部下から嫌われたり、部下が本音を話さなくなりなにか問題が起こるかもしれません。
起こった問題と向き合いながら自分をより良くしていくことが、その人の今の課題なのかもしれません。
そして、それらの問題も含めてその人の人生。
そこに、他人が関わることはできないのです。
みんなそれぞれの人生があるので、自分に集中しましょう。
■ 自分に集中することで本質の軸が立ち可能性が広がっていく
自分の周りで何が起こったとしても、それ自体があなたにとって大事なことではないのです。
起こった出来事を通じて、「何を感じてどうしたいと思い、どのように行動していくか」で、人生が創られていきます。
今、イライラしたり怒っている人の近くにいて、その人が発するエネルギーに飲み込まれてしまうという事実が起こっているのは、その現実を通じて自分がもっと本質の軸を立てて生きていけますよ、というサイン。
周囲で起こった出来事で、ネガティブな感情や気持ちが出てくるときは、自分自身と向き合うときなのです。
日常生活は、自分の軸を立てるための、レッスンのようなもの。
とことん自分に集中することで、自然と生まれ持った可能性が広がっていくのです。
応援しています。
もし、自分に集中したいのにどうしても周りに振り回されてしまう、という方はよかったらご相談ください。
心の根っこに働きかけて、自分に集中し才能や資質を気持ちよく発揮していけるよう、協力させていただきます。