こんにちは、心理カウンセラーの坂本純子です。
職場の人と関わるときに、
「いつも緊張している」
「イライラすることが多い」
「常にあせっている」
こんな状態になっていませんか?
このような、不安定な心で人と関わっていると、会話の内容に集中できなかったり、仕事の本質からズレてしまったり…
その結果、ミスや失敗が増えてしまうかもしれません。
また、態度がぎこちなくなったり、乱暴なふるまいをして、人間関係が上手くいかなくなることもあります。
そして、そんな自分を責めたり、自己嫌悪に陥ってしまうのは、しんどいものです。
もし、あなたが今、そのようなお困りごとがあるのなら、まず「自分自身の心の奥」を知りましょう。
それによって、穏やかな心で、職場の人と関われるようになりますよ。
■ 緊張、イライラ、焦りが発生するのはなぜ?
緊張、イライラ、焦りは、相手の態度に反応して発生します。
「相手の態度」とは、「私はこの人から、大切に扱われていない」と感じさせる相手の言動のこと。
そして、その相手に対して、
「今、私バカにされたのかも」
「この人、私のこと軽く扱ってるかもしれない」
「私、見下されてるのかな?」
とか、
「私はこんなにやっているのに、どうしてわかってくれないの!?」
「私は、受け入れられてないのかも」
「なぜ私の気持ちを察してくれないの?」
こんな気持ちが湧いてきて、イライラしてしまうんです。
または、相手からこんな扱いをされないよう、必死に自分を保ちながら振舞います。
そうやって、ものすごく緊張しながら、相手から粗末に扱われないように、または相手から受け入れてもらえるように、がんばっているのです。
相手の言動への反応が、相手に向くのか、自分に向くのかで、「相手にイライラする」「緊張や焦り」という、表現の違いはあります。
ですが、共に「相手が私を大切に扱ってくれない」と感じる態度に、反応して発生するんです。
このように、人との関わりで発生する緊張、イライラ、焦りは、これらの精神状態の奥にある、意識や感情が元になっています。
■ 緊張、イライラ、焦りは過去から積み重ねてきたもの
相手の態度への緊張、イライラ、焦りは、過去から積み重ねてきたものです。
たとえば、幼いころ父親に対して怒りを感じ、それが癒されないまま心の奥に根づいていれば、当時の父親と似たタイプの人の言動に反応します。
また、母親から「人に迷惑をかけてはいけませんよ」と、子供の頃から言われ続けたら、人への迷惑を考えずにふるまう人に対して、ものすごい怒りが湧いてきたりします。
このように、幼少期の環境や親との関係は、大人になった今も心の奥にすり込まれ、悩みや葛藤を生み出す原因になりえるのです。
人と関わるときの緊張やイライラから抜け出すには
先日、
「『イライラしたときは、深呼吸すると落ち着くよ』って、教えられたからやってみたけど、私のイライラはおさまらないんです」
という、ご相談を受けました。
このような根深いイライラは、過去から蓄積されたもの。
深呼吸では、おさまりません。
では、どうしたらいいのでしょうか?
まず、イライラするときの状況を思い出してみてください。
自分の思い通りに人が動いてくれないとき、イライラが湧いてくると思います。
そのとき湧いた、イライラの奥にある「意識」と「感情」に気づき、それらを受け入れると、イライラは和らいでいくのです。
イライラに悩んでいる方の心理セッションでは、イライラしているときの心の奥を見ていきます。
すると、自分が望む態度を、人がとってくれないときにイライラが湧き、そのイライラの奥には、
「あなたは、どうして私を受け入れてくれないの!」
「あなたは、どうして私を軽く扱うの!」
「あなたは、どうしてそんなに気遣いができないの!」
このような意識が発生しています。
(この意識、心の奥にあって、自分ではなかなか気づけないもの)
そしてこれは、過去から積み重ねてきた「怒り」や「悲しみ」が、自分の中で暴れている状態。
その感情たちが、「イライラする」という表現をしているのです。
この、過去から積み重ねてきた「怒り」や「悲しみ」の感情と、イライラの奥にある「意識」に気づき、受け入れていくことが、根深いイライラから抜け出すカギになります。
これができると、イライラは和らぎます。
すると、今までであればイライラしていた、他人の態度に遭遇しても、不快な感情が動きません。
たとえば、
「この人は、こういう態度をとる人なんだな。 以上!」
のような、気持ちが瞬間出てくるだけ。
そのあとに、イライラなどの不快な感情は湧かないので、穏やかな気分でいられます。
こんなふうに、静かな心でいられ、周りに振りまわされなくなるのです。
今までは、周りの態度や言葉に反応して、イライラしたり、悲しくなったり、緊張したりと、心も体も忙しかったと思います。
そのように、自分の感情に奪われていたエネルギーを、自分の仕事や、自己表現に使えるようになるんです。
そのために、「自分自身の心の奥」を知ることが大切です。
自分自身の心の奥の感情に気づき、その感情を解放し、心の根っこが変化していけば、緊張・イライラ・焦りのような不快感情から抜け出せます。
応援しています。