相手の反応が気になって、本音を伝える勇気がでない。
周りの目が気になるので、つい当たりさわりのない行動をとってしまう。
このように、人の目が気になって本音や気持ちを抑え続けていると、日常的に不安や怖れを感じやすくなります。
とくに繊細なHSPの人は、人の顔色の変化を敏感にキャッチするするので、よけいに相手の反応が気になりがち。
相手の顔色を読みながら、自分の気持ちよりも ”相手がどう思うか” を意識して、
私が発する言葉は相手を不快にさせないだろうか。
私は相手にとって失礼な態度をとっていないだろうか。
相手の期待に応えるには何を言えばいいのかな。
こんな思考がつねに働いていませんか。
この思考のクセが不安や怖れを生み出しているのです。
がんばって考え方を変えようとしても、どうしても自分より相手を優先してしまう。
そんな自分を責めてばかりいると、これもまたしんどいですよね・・・。
それに加え、自分の気持ちや感情を抑えて相手に合わせ続けていると、自分の気持ちや感情を感じられなくなっていきます。
仕事で考えや意見を求められると頭が真っ白になって固まる。
何が好きなのか、何をしていると楽しいのかわからない。
自分の気持ちがわからないのでいつも人に合わせているけど、心はいつもモヤモヤざわざわしている。
こんなお困り感は、自分よりも人を優先しつづけたことが原因です。
この感覚があると、なんのために生きているのかわからなくなったり、この先もこの自分で生きていくのかと思うとさらに不安が高まったり・・・
ですが、これは生まれ持った性格でも、変えることのできない運命のようなものでもありません。
生れてから今までに起こった出来事や環境の中で、強く感じたことが心に深く刷り込まれ ”人の目が気になる” という心の状態を引き起こしているのです。
つねに相手に向いてしまう意識を、自分に向けることができれば解決していきますよ。
この記事では、不安が強く人の目が気になるHSPの人が、安心して人と関われるようになるために大切なことを書いていきます。
読み終えたときに、ホッとする安心感と未来への希望を感じてもらえたらうれしいです。
1. ”思考のクセ” ってどんなもの?
思考のクセとはいつも無意識に考えていること。
無意識に考えているので、自分では自覚がないものです。
たとえば、
上司に「作業のスピードあげてくださいねー!」と言われたとき
Aさん: このままだと時間内に終わらないから急がなきゃ。
Bさん: また注意されちゃった。私ってやっぱりダメな人間。
Cさん: 言われなくたってわかってるよ。上司は口うるさい人だな。
同じ場面を見聞きしても、こんなふうに反応の仕方は人それぞれ異なります。
これが思考のクセです。
1-1. ”思考のクセ”はどうやって作られるの?
多くは幼少期に作られます。
判断力がなく問題意識や選択肢もない幼い子供のころに、親とのかかわりの中で繰り返し感じたことや、すり込まれた言葉が心の深くに根づいていきます。
たとえばこんなふうに↓
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40年以上も前の幼稚園に通っていたころによくあった出来事。
お友達と遊んだことを聞いてほしくてお母さんに話しかけると、「今忙しいからあっちに行ってなさい」っていつも言われた。
そのたびに大切にされてない気がして悲しかった。。。
私はそのうちに、
どうしたらお母さんが私の話を気分よく聞いてくれるのか
どうしたらお母さんが私を受け入れてくれるのか
どうしたらお母さんは私を大切にしてくれるのか
どうしたらお母さんは喜んでくれるのか
どうしたらお母さんは機嫌よくいてくれるのか
自然とこんなことばかり考えるようになっていった。
お母さんの様子をうかがいながら、お母さんが喜んでくれそうな話題を選んで話すようになった。
お母さんが喜んでくれたら、私もうれしい。
なぜなら家にいる時間が穏やかで平和なものになるから。
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子供のころこんなふうに考えていたことが心の根っこにすり込まれ、大人になっても思考のクセとして発動しているのです。
子供のころはお母さんに対してやっていたことが、大人になると無意識に周りの人にお母さんを投影して、周りの人の目が気になるようになっていきます。
1-2. 人の目が気になる人の心の中では何が起こっているのか。
人の目が気になる人は、本来自分がいるはずの心の操縦席に、無意識のうちに他人を座らせています。
時と場合によって、心の操縦席に会社・お金・時間・世の中を座らせていることも。
今お金に困ってないのに、お金を支払うときにいつも不安が湧いてくる人は、操縦席にお金を座らせています。
いつも何かに追われているような焦りを感じる人は、人と時間が操縦席に座っています。
「本当はこうしたい」という本音や、自然に湧いてくる感情や気持ちではなく、自分以外の人やものを幸せに生きるための判断基準にしている状態。
いつも 「どうするべきか」「なにが正解か」を考えて行動していませんか?
そのため本音や感情が満たされないままいつも自分の中にあって、不安や焦りを引き起こしています。
人と楽に関わって自然体で自分を表現できる人は、心の操縦席に自分が座っています。
今どんな気持ちになっているのか、今うれしいのか悲しいのか腹がたっているのか、そして今どうしたいのかを一番大切にしています。
では、どうしたら他人に明け渡している心の操縦席に自分を座らせ、もっと楽に人と関わりながら生きていけるのかを書いていきたいと思います。
2. 心の操縦席に自分を座らせるためにやること
自分の気持ちや感情に意識が向くように、この2つを心がけてみてください。
2-1. 自然に湧いてくる気持ちや感情にOKを出す
不安・怖れ・怒り・悲しみなどのネガティブな感情を感じないようになりたい、という人もいますが、喜怒哀楽は人間に備わっているもの。
新しいことをスタートするときに不安を感じるのは当たり前ですし、人から激しく怒られたら怖いと感じることも当然のことです。
今までネガティブ感情を抑圧したり、無理やりポジティブに考えてきたことで、喜びや楽しいという感情も感じられなくなってしまいました。
不安・怖れ・怒り・悲しみを感じてもいいのです。
楽しさや喜びも感じられるようになっていきますよ。
ネガティブ感情が湧いてくる自分に対して、ダメ出しも否定もしなくていい。
ことあるごとに不安や怖れを感じる自分を責めていると、不安や怖れはさらに強化されます。
自然と自分の中から湧いてくる気持ちや感情は、そのまま受け止めていいのです。
人の目が気になる人は、自分の気持ちや本音を人に伝えることが苦手。
「今言いたいことをそのまま口にしたら否定されるかもしれない。もしかしたら嫌われたり、バカにされたりするかもしれない。言わない方が安全だから、黙って相手に合わせよう。。。」
こんな気持ちになることがよくありますよね。
こう感じている自分を弱い人間だと思う必要もないし、この自分を受け入れていいのです。
「私は今、自分の気持ちを伝えるのが怖くて安全なほうを選んでいるんだな。
嫌われるのがイヤだから言えない。
私は嫌われないように言わないことを選択している。
だって嫌われて私から人が離れていくことが怖いから・・・」
このように、自然に湧いてくる素直な気持ちを認めていいのですよ。
もし自然に湧いてきた感情を、どうしても受け入れることができずに自分を責めてしまったら、それすらも認めていいのです。
「私はこの感情が湧いてきた自分を受け入れられないんだな。。。」と、その自分にOKを出してください。
どんな自分でもOKなのですよ。
自然に湧いてきた気持ちや感情に、良い悪いというジャッジをくだしているのは自分。
ジャッジの判断基準が思いグセなのです。
自分にOKを出せると、不安や怖れを感じることが劇的に少なくなります。
自然に湧いてくる感情すべてを認めていいのです。
2-2. 今感じている本音や気持ちを満たす
本音や気持ちを優先することを前提に「私は今どうしたい?」と自分に聞きながら、その思いを満たすために行動する。
これをつねに心がけること。
不安を感じると、不安に飲みこまれて支配されてしまいます。
そんなときは「今不安を感じているけど、本当は私どうしたいの?」と、不安を感じている自分も受け入れて、今本当はどうしたいのかを自分に質問してください。
そのとき出てきた声をできる限り満たしてあげる。
お腹が空いたからなにか食べたい、トイレに行きたい、疲れたから休みたい、眠りたい・・・
こんな小さな自分の本音も、毎回毎回拾って満たしてくださいね。
会社で人の目が気になって、自然体でいられない自分に困っている人は、自分の心をじっくり観察して、今の自分が何を前提に行動しているのかを拾ってください。
上司に認められるため
上司に怒られないため
周りの人に嫌われないため
変な人だと思われないため
仕事がデキない人だと思われないため
など・・・
様々な前提がでてくると思います。
この前提を、自分が望むものにしていきましょう。
私が楽に仕事に取り組むため。
みんなと信頼関係を築くため。
私が実績をつくるため。
など、自分が望むことを実現するために仕事に取り組んでいいのです。
「今なにをやるべきか・なにが正解なのか」をつねに考えている人は、「私は今なにをやりたいのか・私はどれからとりかかりたいのか・私はどうしたいのか」を意識してください。
自分の本音を聞き、行動に移していくことがあなたにとっての正解です。
自分の意志で私は行動しているという実績を自分の脳に積み重ねていくことが、心の操縦席に自分を座らせ、自分で自分の人生を創っていくために大切なことなのです。
3. 自分の感覚を大切にすることでHSPの才能が活きてくる
自然と湧いてくる気持ちや感情がどんなものであってもOKを出せ、本音や気持ちを大切にできると、相手の期待に応えることよりも、今の自分を優先することに自然と意識が向きます。
すると、今まで抑圧していた気持ちや感情を相手に伝えることができるようになります。
ときには「今は相手を尊重して伝えないことを選択しよう」という本音が出てくることもあります。
そのときは、伝えないことを選択してもいいのです。
この感覚が、心の操縦席に自分が座っている状態。
自分の人生の主人公は自分なのだから、すべて自分を優先して行動していいのです。
これができると、HSPの敏感さを自分のために使えるようになってくる。
今まで周りに意識を向けて、人の期待に応えるために使っていた敏感さを、自分が幸せに生きるために使いましょう。
HSPは、自己暗示力や直感力が優れています。
意識を自分に向けられるようになると、自己暗示力や直感力が本音の望みを実現するために発動するので、楽に自己実現ができるのです。
4. まとめ
不安が強く人の目が気になるHSPの人は思考のクセを変えることで、安心して人と関わることができ、HSPの能力を自分のために発揮して、楽に自己実現ができるようになります。
そのために意識することはこの2つ。
➀ 自然に湧いてくる気持ちや感情にOKを出す
➁ 今感じている気持ちや本音を満たす
これができると思考のクセが自然と変化します。
人にあけ渡していた心の操縦席に自分を座らせて、自分の意志で生きていけるようになるのです。
5. 最後に
思考のクセが今の生きにくさを作っています。
外に向いている意識を自分の内側にむけてくださいね。
もしどうしても、自分と向き合うことができない、気持ちや感情にOKを出せない、本音がわからない、という方はよかったらご相談ください。
心の根っこにアプローチして、あなたが本来の感覚を取り戻していくために協力させてくださいね。
人は何歳からでも変われるのです。
応援しています。