クライアントさんの心理セッションをすすめていくと、「変化したいけど本当は変わりたくない。」という矛盾した本音を持っている場合があります。
たとえば、頭では自分を変えたいと切に思っているのに、心の深い部分では「今のままでいた方が安全だからこのままでいたい」と願っている。
この心の深い部分の願いは、本人も気がついていないことがほとんどです。
でも、この願いを見過ごしていては、人は変化することができないのです。
今の自分を変えようとして本を読んだり、ネットで知識を増やしても、なかなか変わらないのは、心の深い部分の願いが満たされることがないから。
けっしてあなたがダメな人間だとか、努力が足りないということではありません。
過去の出来事によって受けた心の痛みが癒されていなければ前に進むことはできません。
痛みが強ければ強いほど、前に進むために苦痛がともなうので、その苦痛を感じないよう前に進まないことを無意識に選択します。
その状態でいると、頭では前に進むために自分を変えたいと強く思っているのに、どうしても自分を変えることができず動けない、という現状を創りだします。
この状態は苦しいですし、あせりや不安を感じますよね。
だから早く抜け出したいと思ってしまいます。
が、まずはその状態でいることを受け入れてください。
それでいい、と思ってOK。
それでいいというのは、今の苦しい状態でいいというわけではありません。
今苦しいと感じ、あせりや不安が出てくる自分がいたとしてもそれは仕方がないことで、その状態が悪いことでも恥ずかしいことでもない、ということ。
今の状態のままでいたいわけではないですよね。
私の気持ちをわかってほしかった
もっと大切に扱ってほしかった
あのとき助けてほしかった
受け入れてもらいたかった
このような思いが満たされないまま、心の深い部分に放置されていたことに気づいてあげてください。
わかってもらえると、過去の自分が安心します。
過去の自分がわかってもらえずに苦しんでいた気持ちを、理解してあげてください。
理解してもらえたことで苦しみが和らいでくると、前に進むことができるようになります。
人が ”変化したいのになかなか変われない” というときは、必ず心にひっかかっている満たされない思いがあります。
この思いがあるために、変わることよりも今の状態を続けることを無意識に選択します。
変化に抵抗している状態なので、苦しいんです。
その自分も受け入れて、寄り添ってあげてください。
応援しています。
ひとりで寄り添うことがむつかしいときは、よかったらご相談くださいね。
ではまた。